国語科学習指導案

伝統的な言語文化の鑑賞指導『稲羽の素兎』

 平成22年4月28日(水)2時間目,三笠小学校2年1組児童23名,指導者 柳谷直明 

(1)指導事項(本時1/1) 

聴取(言語活動)を通して,メモ(学習用語)を指導する。

再生(言語活動)を通して,大小,緩急,強弱,高低(学習用語)を指導する。

討論(言語活動)を通して,立場,根拠,反論(学習用語)を指導する。

再話(言語活動)を通して,登場人物,行動,結末(学習用語)を指導する。

鑑賞(言語活動)を通して,因果応報,善行・善果(学習用語)を指導する。

(2) 指導事項の時間的な順序

時配

学習活動

教師の働きかけ

備考

5分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8分

 

 

 

 

8分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8分

 

1 聴取

興味を抱く。学習意欲を持つ。

自分で重要だと判断した言葉をメモしながら聴く。メモに慣れる。

2 討論

自分だったらどうかという追体験をする。討論の練習なので,正解を1つにしないと知る。討論のための学習用語を学ぶ。

3 聴取

話を聴きながら,兎や神の価値を判断する。

メモをしながら,再生するための準備を行う。

4 再生

登場人物などをメモし,再話の準備を行う。

再生を成立させるための学習用語を学ぶ。

5 再話

再生に加え,話の続きを創って再話する。

再話を隣の子に聴かせ,語りを楽しみ合う。

昔話を聴き,自分で創作する楽しみを味わう。

6 鑑賞

話の主題を学ぶ。

板書『稲羽の素兎』

「難しい漢字だから読めないだろう。読めるようになりたい人? できないことに挑戦する子は賢くなる。教頭先生と勉強すると読めるようになる。楽しみだろう。」

1 語り

「昔々の大昔,神が日本を創ったと言われるくらいの大昔。八十神という多くの神が弟神の大国主神に荷物を背負わせていた。」

 2 討論1

「兄さんの荷物を背負っていた大国主神をどう思うか。自分だったらどうか。」

 3 語り2

「大国主神が歩いていると,何と,皮を剥がれた兎が泣いていた。兎,どうして泣いているんだ。大国主神が尋ねると兎が言った。私はここ,稲羽に来たくて向こうの島から鰐を騙して渡ってきたのです。鰐よ,お前達は兎より多く集まれるか。集まったら,数えてやる。こう言うと鰐が集まってきた。そして,兎は鰐の背中を数えながら渡った。最後の鰐の背中で兎は言った。ははは,お前達は騙された。私はここまで来たかっただけだ。鰐は怒り,兎を噛み,皮を剥いだ。そこへ,たくさんの神が来た。そして,神々の言う通りに塩水を体に付けて,風に晒すと,更に傷がひどくなった。泣いている兎を大国主神が助けた。」

 4〜5 再生・再話

「教頭先生の話を再話する。そして,大国主神はどうなるか,お話を創ってみよう。」

メモ用紙『プランくん』を渡し,自由にメモさせる。

・提案1

漢字も使う。新教科書では,未習も使われる。

・提案2

 活動を上達させる学習用語と読解に活用できるそれを指導する。

・提案3

 学習用語はさりげなく明示する。

・提案4

 指導した学習用語を発言などの表現で活用させる。

・提案5

 作品価値と技能を学習用語でバランスよく指導する。

メモを使って再話させる。

(3) 授業の成否を判定するポイントや反省観点

        言語活動を通し,学習用語を学ばせたか。

        主題を決め,神話の価値を学ばせたか。